ユーザー車検(自分で車検を受ける)前の足回りの点検方法

足回りの点検方法  〜ユーザー車検前の点検・整備〜

ここからは、クルマをジャッキアップしてのチェックになります!
ガレージジャッキがあれば楽ですが、なければ車載のジャッキでもだいじょうぶです。

他に、クルマの下に潜るときは危険なので
リジッドラック(うま)をかけておく事・輪止めをしっかり掛けておくなど
安全対策はおわすれなく!!

まだ、私が19歳の命知らずだったころ、はじめて買ったクルマのマフラーを変えようと、
車載のジャッキ(パンタグラフ)2つだけで、クルマの下に潜って作業したことがあります。
それも坂で・・・・・。いま思えばゾッとします(笑)。

あなたは絶対にまねしないでくださいね!!

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サスペンション・ショックアブソーバー

それでは、まずタイヤを外して、サスペンション・ショックアブソーバーのチェックをしてみましょう!
サスペンションは、取り付けの緩み、損傷、連結部のガタ
(上下左右に小刻みに動かしてみて、『コトコト』という感触がなければOK。)をチェックします。

ショックアブソーバーは、連結部のガタ、どこかにぶつけてへこんでいないか、
オイルが漏れてベトベトしていないかチェックします。

サスペンション

ブレーキ

つぎはブレーキのチェックです。
ブレーキには、ディスクブレーキとドラムブレーキの2つの種類があります!

最近のクルマには、フロントブレーキにはディスクブレーキ。
リヤブレーキには、ディスクブレーキかドラムブレーキのどちらかが使われています。

カンタンに説明するとディスクブレーキはタイヤといっしょに回転しているディスクローター(金属の円盤)を
パッドではさむ事でブレーキをかけています。

ディスクブレーキ

ドラムブレーキは、回転しているお鍋(ドラム)の内側に両手をいれ、
手(ブレーキシュー)を広げていくとお鍋が止まる、みたいな原理でできています。
(ちょっと、解かりにくいですね。自分でも書いていて、いやになってきました(笑)。)

ドラムブレーキ

では、気を取り直して、パッドの減りぐあいのチェックをしましょう。
新品のパッドの厚みは約10mm程です。それが、5mm程ならそろそろ交換、
2mm以下なら即交換したほうがよいでしょう!!

ディスクローターは、はげしい磨耗がないかチェックします。
とくに外車のローターは磨耗しやすくなっていて、
パッド交換2回に1回はローターを交換するのがほとんどです!

パッド残量

ブレーキシューのライニング(ディスクブレーキでいえばパッドの部分)の新品の厚さは、
パッドに比べると薄く作られています。
2mm程なら、そろそろ交換、1mm以下なら即交換をおすすめします!!

シュー残量

ディスクブレーキの場合は、タイヤを外せばパッドの内側と外側の残量を、覗き見ることができますが、
ブレーキシューを点検するには、まずドラムを外さなければなりません。

パッド覗き見の図

ドラムの種類には、ドラムだけが外れてくるものと、
ドラムとベアリングが一体となって外れてくるものがあります。

さらに、ドラムだけが外れてくるものの中でも、ドラムの側面に2ヵ所に、
8mmのねじの溝がある穴が開いているものは、ドラムだけを持ちすこし回しながら、
まっすぐ引っ張ればかんたんに外れてきます!
(サイドブレーキは戻しておいてくださいね!!)

ドラムブレーキ

錆びついて硬いときは8mmの穴2ヵ所に、合うボルトをねじ込んでいき、
2ヵ所、均等にねじ込んでいけばドラムだけが外れてきます!

このほかの、ベアリング付きのドラムなどは、バックプレートにのぞき穴があるものならば、
ゴムキャップを外して減りぐあいをチェックできますが、

のぞき穴

無い場合は、ナットを緩めてドラムを外す作業になります。これには、特殊な工具が必要だったり、
取り付けのとき、ナットの締め付けすぎやゴミなどの混入で、ベアリングを傷めたりと、
すこし難しい作業になりますから、
業者に点検を依頼することをおすすめします。

ブレーキ液

パットやライニングの量をチェックするついでに、キャリパーやホイルシリンダー、
エンジンルームのマスターシリンダーからの液漏れ。
ホース・パイプ類の液漏れ・損傷、リザーバータンクの液量のチェックもしておきましょう!

液漏れチェック

ブレーキのリザーバータンクの液の量の減り方には2種類あります。

1つは、どこかに液漏れがある場合。(これは当然ですね(笑)。)
2つめは、ブレーキパッドが減ったときです。

それでは、なぜブレーキパッドが減ったときに、ブレーキ液が減るのでしょうか!?

パッドが減るということは、減った分だけキャリパー内のピストンが
飛び出してくるということでもあります。

キャリパー内ピストン

ピストンが出てくるということは、それだけキャリパー内のシリンダー容積が増え、
その分ブレーキ液が必要になります。

シリンダー内の液が増えるということは、それだけリザーバータンク内の液が
キャリパー内のシリンダーに移動することになるので、
リザーバータンク内の液が減ったようにみえるのです!

ブレーキのリザーバータンクの液の量からは、液漏れ、パッドの減りぐあいなどの
情報を読みとることができるので、こまめにチェックするようにしましょう!

なお、チェックするときは、つぎの2つの事に注意してください!!

ブレーキ液は塗装を溶かす性質があります!
必ずボディに付けないように注意してください!!
もし、付いてしまった場合は、すばやく拭き取ってください。

2つ目は水分です!
ブレーキ液は、水分を吸収しやすい性質も持っています。
水を混ぜるのはもってのほか、空気中の水分も吸収してしまいますから注意が必要です!

もし、水分を吸収しすぎると、ブレーキ液の沸点が下がり、沸騰しやすくなってしまいます!
この状態でブレーキを使いすぎると、摩擦熱でブレーキ液が沸騰し、ブレーキ液の中に気泡が発生します。

こうなると、ブレーキペダルをいくら踏んでも、気泡が圧縮されるだけで、ブレーキ液が圧縮されませんから、
踏力がブレーキパッドに伝わらず、ブレーキのききが極端に悪くなってしまいます!

この状態が『ベーパーロック現象』というやつです。
いったん気泡が発生したブレーキ液は、自然に元に戻ることはありませんから、早めの交換が必要です!

ホイール・かじ取り車輪

タイヤの溝の深さは、いちばん少ないところで1.6mm以上必要です。
目安になるのは、溝の横にあるスリップサインと呼ばれる【△】の印です。
スリップサインの延長線上にある、溝のすこし盛り上がったところが減りだしたら限界です!

スリップサイン

フロント・リヤホイールベアリングのガタはタイヤを付け、タイヤの上下を手で持ち、
交互に引っ張ったり押したりを小刻みに繰り返したとき、
手に『コトコト』という感触が伝わってこなければOKです!

パッドやライニングのすき間は、ブレーキを一度踏んでから、タイヤを手で回したとき、軽く回ればOKです。
硬くて回らないときは、ブレーキが引きずっている可能性があります!

ブレーキが引きずっていると、パッドなどの減りが早くなったり、
ローターなどの異常磨耗の原因
にもなります。

かじ取り車輪のアライメントは平らな道で速度を上げていったとき、
ハンドルが左右に小刻みに動かなければOKです!
平らな道でハンドルが左右に小刻みに動くようなら、
ホイールバランスが狂っているかホイールが変形している可能性があります!


                                             記事を書いた日:2006/10ごろ


 
 

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